「まだご飯食べてないの?」

「……あ、うん」


下で母に聞いてきたのかな。


「その格好だと風呂も入ってないんだ?」

「うん……」

「なにやってんの」

「…………」

「まあ、いいや。これ解いて」


渡されたのは二枚綴りのプリントだった。


これを間違えてしまえば……。


「仕上げ」

「……え……」

「できたら持ってきて」

「制限時間は?」

「そうだなぁ。追試と同じでいいよ」

「解けなかったら、その……罰ゲーム?」

「当然」


そういうと、部屋から出ていった。


てっきり監視されるかと思った。

カンニングとかしないように見張られるものとばかり……。


ちょっとは信じてくれているのかな。

それか単純に一緒に過ごすのが嫌なのかな。


なんにせよ……

ついに、やってきてしまった。


このときが。


机に向かい

タイマーをセットして


「……よし」


プリントをめくり


――“あること”に気づく。


これ、

問題集の切り抜きとかコピーじゃない。




……手づくりだ。