「俺、清涼飲料水のCMに出てくるような爽やかくん目指してたんだけどなぁ〜」

頭をかく先生。


「……いやいや。先生、さっきお酒が好きでたらふく飲むって言ってたじゃないですか」

「的確すぎるツッコミをありがとう、来栖」

親指をたててグーッとされる。

なんのグーですか。


「やめられないんだ。……やめたいのに」

「え?」

「それどころか増えてく。困ったもんだ」


困ったと言いながらも笑ってる。

その笑いが寂しげに見えるのはどうしてだろう。


「……そんなに吸うんですか?」

「めちゃくちゃ吸うよ。学校ではかなり我慢してるけど、帰りの車の中からはもうずっと咥えてる」

「意外です」

「だろ? 服にニオイつかないように気をつけてるんだけど、やっぱ臭うかなぁ」

「……そのくらいなら誰の鼻にもつかないと思いますよ?」

「そっか。だったらいいか」