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そして迎えた放課後。

教室に永浜くんと架里奈と三人で残り、先生が来るのを待つ。

科目はわたしが最も苦手とする数学だ。


架里奈が永浜くんに「可哀想な永浜のこと、待っててあげる」と言っている。

どうやらカラオケに行くのをやめたらしい。


「黙れ。んなこと頼んでねぇよ。あいつらとカラオケでもどこでも行けよ」

「拗ねないのー。なんなら補習のあとこの三人で遊ぶ?」

「おっ。それいいな!!」

「でしょ?」


あれ?

わたしもメンバーに入ってる!?


「だったら俄然やる気でてきた」


永浜くんのテンションが急上昇する。


「うららの歌声聴いてみたいし」

「あたしも〜」


カラオケなんてとんでもない。

行ったことないし、人前で歌える気がしない。