「自分で渡しなよ」


突然わたしと女子二人の間に入ってきたのは、架里奈だった。

胸の前で腕を組み、女子たちを子猫が敵を威嚇するような目でギロリとみると、こういった。


「人に頼まなきゃ言いたいことも言えないの?」

「っ、なによ。いいじゃんこのくらい」

うろたえる手紙の差出人に、

「よくない。どうみても困ってるでしょ、うらら」


ビシっといってのける。


「……ケチ」「もういいよ。行こ」


そういって女子たちが席に戻っていった。