架里奈のマシンガントークに圧倒されてしまった。

だけど……嬉しい。

兄だけでなくわたしに踏み込んでくる子って珍しい。

あくまでわたしは〝来栖雅〟のセット品というか。

ほんの、おまけというか。

そんな目で見られることが多いから。


架里奈の明るさは周囲をも明るくさせる力みたいなものがある。

天性のムードメーカーとでもいおうか。

話しかけられると、自然と答えようという気にさせられる。


スカートが短いし化粧だってしているから若干近づきにくいタイプだと思っていたけれど、話してみるとまったくそんなことがない。


「俺もうららって呼ぼうかな」

「え……」

「ダメ?」

「図々しいよ、永浜」

「お前に言われたかねーよ柏木。もう俺ら友達じゃん」


……友達?


「ほら。名字だと、兄を呼んでるかうららを呼んでるかややこしいだろ?」

「永浜が雅くんと絡むことなんてあるの?」

肩をすくめる架里奈。

「うーわ。俺なんて関わり合うことないって言いたいわけ?」

「永浜みたいなヤンキーがエリートくんといるとこなんて想像できない」