兄は驚くくらいハキハキと話し、顔色もさっきよりずっとよくなっていた。
病院に行って本当によかった。
「お兄ちゃん。はやく部屋に戻って横に……」
「伊勢谷になんて頼りやがって」
先生がいなくなった途端、兄から笑顔は消えた。
「……っ、ごめん。でも、」
「煙草」
「……?」
「あいつのニオイだったんだ?」
「!」
「車の中のニオイ。あの日と同じだった」
「あの日……」
わたしに煙草のニオイするって言った夜のこと?
「伊勢谷だったんだ?」
「あれは……」
「服にニオイつけられるくらいの関係なの? あいつとお前」
「違う……あれはね、お兄ちゃん」
「ああいう男が好きなの?」
「そんなんじゃないよ。先生は、わたしが頼って助けてくれただけで、」
「俺が病院で眠ってる間、二人はなにしてたの? 俺を理由にあいつと会えて嬉しかった?」
病院に行って本当によかった。
「お兄ちゃん。はやく部屋に戻って横に……」
「伊勢谷になんて頼りやがって」
先生がいなくなった途端、兄から笑顔は消えた。
「……っ、ごめん。でも、」
「煙草」
「……?」
「あいつのニオイだったんだ?」
「!」
「車の中のニオイ。あの日と同じだった」
「あの日……」
わたしに煙草のニオイするって言った夜のこと?
「伊勢谷だったんだ?」
「あれは……」
「服にニオイつけられるくらいの関係なの? あいつとお前」
「違う……あれはね、お兄ちゃん」
「ああいう男が好きなの?」
「そんなんじゃないよ。先生は、わたしが頼って助けてくれただけで、」
「俺が病院で眠ってる間、二人はなにしてたの? 俺を理由にあいつと会えて嬉しかった?」


