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「なにやってんだろ……俺」


伊勢谷が喫煙スペースで一服していると、


「聞いたよ。生徒の付き添いだって?」


白衣姿の女性が、現れた。

黒く長い髪を後ろで一つに束ねている。


「……美咲(みさき)」

「親は? 子供が熱出してるってのになにしてんの?」

「仕事」

「それで、一樹(かずき)が?」

「悪いかよ。お前は、なに。サボってんの?」

「違うわよー。さっき妙なもの見ちゃったから」

「妙なもの?」

「女子高生の肩に手をまわす、セクハラ教師」

「……!!」


美咲の言葉にゴホゴホと蒸せる、伊勢谷。


「さすがに制服姿の女の子の肩には手をまわさないで欲しいものだわ」

「……着替えさせてこりゃよかったかな」

「そういう問題じゃないでしょ? 生徒と面倒ごと起こさないでよ? 弟が捕まっちゃ私もお父さんもお母さんも、恥ずかしくて世間に顔向け……」

「わかってるよ」