先生と待合室のソファに腰掛ける。


「先生、本当にありがとうございました」

「どういたしまして」

「そろそろ学校に戻らなきゃですよね?」

「ここにいるよ。点滴終わったら俺が連れて帰ってやる」

「でも……」

「担げないだろ、お前には」

「……はい」

「嬉しかった」

「えっ?」

「来栖が俺のこと頼ってくれて」

「!」

「もし俺が来なかったら、まだお前も兄ちゃんも苦しんでたんだって思うと。呼んでもらえてなによりだよ」

「先生……」

「こういうとき、大人の手がないと大変だよな」

「そう……ですね」

「これからも俺のこと使ってくれていーよ」

「……先生、優しいですね」

「そう?」

「はい」