「あっ……そうだ。冷たいシート、おでこに貼るね?」

「……なんでそんなものあんの」

「もしかしたら役立つかなと思って、さっき買ってきたよ」


箱からシートを取り出し開封しようとした――そのとき。


「出ていって」


――え?


「そういうの、もう、いいから」

「でも……」

「迷惑なんだ」

「!!」


手から冷却シートを取り上げると、投げ捨てられた。


「こんなの寝てれば治るのに。いちいち騒がしいやつだな?」


だけど。わたしは……。

お兄ちゃんに少しでもラクになってもらいたい。


「わたしになにかできること、ないかな?」

「ない。いるだけで迷惑」

「……そんなにわたし、迷惑なの、かな」

「俺を元気にさせたいっていうなら……お願いだから、今すぐ消えて?」