去りゆく父の背中を見送る。

なんていうか、ジェントルマンって感じでカッコイイ。


「……行っちゃった」


頑張れ、お義父さん。

でも無理しないでね……?


「うらら、さっさとお風呂入りなさい」

「あっ、うん」

「そういえば」

「?」

「あなた、さっきどこにいた?」


――!!!


「部屋にいなかったわよね」

「お兄ちゃんとこ……」

「眠っていたんじゃないの?」

「寝てた」

「雅くんの部屋で?」


顔をしかめる母。


「……うん」

「あまり雅くんの邪魔しないのよ?」

「え?」

「くっつきたがるのもいいけど。ほどほどにね」


そうか。

母は、まさか兄とわたしが同じベッドで一緒に眠ったとは思ってないんだ。


「……はい」