お土産にはクッキーを選んだ。
缶入りで、表面にパークオリジナルキャラクターのイラストがプリントされているやつだ。
急ぎ足で帰ろうとする兄を引き止め、ゲート付近のショップに寄ってもらい、迷いに迷ってこれにした。
『10秒で選べ。時間の無駄だ』って急かされつつ結局5分近く迷い、レジにこれまた数分並び、兄をイライラさせてしまったなぁ……。
それでもなんだかんだ置いて帰らずに一緒に帰ってくれた兄はやっぱり優しい。
「楽しかった?」
と、父。
「うんっ……!」
「デートか?」
「……!! 違うよ」
「恥ずかしがることない。もう高校生になったんだもんな、うららちゃんも」
「友達とだよ? あと、お兄ちゃんも……」
すると、父が意外そうな顔をした。
「雅も?」
「うん」
「……そうか。そういえばお前たちを遊園地に連れて行ってやったこと、なかったな」
「仕方ないよ。お義父さんお仕事忙しいもん」
「うららちゃんは、どこへ連れて行ってとか。なにが欲しいとか。一度も私に言ってきたことないな?」
「え……」
「年頃なんだ。欲しいものくらいあるだろ?」
缶入りで、表面にパークオリジナルキャラクターのイラストがプリントされているやつだ。
急ぎ足で帰ろうとする兄を引き止め、ゲート付近のショップに寄ってもらい、迷いに迷ってこれにした。
『10秒で選べ。時間の無駄だ』って急かされつつ結局5分近く迷い、レジにこれまた数分並び、兄をイライラさせてしまったなぁ……。
それでもなんだかんだ置いて帰らずに一緒に帰ってくれた兄はやっぱり優しい。
「楽しかった?」
と、父。
「うんっ……!」
「デートか?」
「……!! 違うよ」
「恥ずかしがることない。もう高校生になったんだもんな、うららちゃんも」
「友達とだよ? あと、お兄ちゃんも……」
すると、父が意外そうな顔をした。
「雅も?」
「うん」
「……そうか。そういえばお前たちを遊園地に連れて行ってやったこと、なかったな」
「仕方ないよ。お義父さんお仕事忙しいもん」
「うららちゃんは、どこへ連れて行ってとか。なにが欲しいとか。一度も私に言ってきたことないな?」
「え……」
「年頃なんだ。欲しいものくらいあるだろ?」


