キミは俺のモノでしょ

「うらら」


寝言で何度もわたしを呼ぶなんて、どんな夢みてるの?

まさか夢の中でもまたわたしのこと苛めているんじゃ……。


喉、かわいたな。


ベッドからそっと出ると、キッチンへ向かった。

なにも兄のベッドに寝かせなくてもいいのに、どういうつもりなのだろう。

また抱きまくら代わりにされたの……?


「あ……」


リビングの明かりがついてる。

そこに、父と母の姿があった。


二人揃っているのは、最近では珍しい。


「お帰りなさい」


「……っ、うらら」

「うららちゃん」


いつもと変わらない、落ち着いた父。

グレーのスーツがよく似合っている。


それに引き換え、なぜか動揺しているように見える母。


「いつ起きたの?」

「え……今だよ?」

「そう」


何を慌ててるんだろう。

突然背後から声かけちゃったから驚かせてしまったかな。


「あのね、お土産があるの」

「あ、机の上にあったやつ?」

「うん。お義父さんとお母さんに」

「ありがとうね」