キミは俺のモノでしょ

薄暗いけど……

ふかふかした布団に包まれているのがわかる。

ベッドだ。


って、わたし、なんて夢みてるの。

ドラマのワンシーンのごとく兄から迫られた。

……ビックリしたぁ。

あんな甘い展開、現実では200%起こらないし。


「……!!」


隣に誰かいる!??


「……お兄ちゃん……?」


そうか。ここ、うちだ。


わたしが五歳の頃から暮らしているこの家の、滅多に入れてもらえない、兄の部屋だ。


最近何度かこうして一緒に眠ってるものの、基本的には足を踏み入れることがない場所。


「うらら」


――!?


「お兄ちゃんっ、起きてたの?」

「…………」


返事はない。寝言だったのかな。


わたし、どうやって家まで帰ってきたのかな。


まさか兄が、抱えて帰ってきてくれてたの?


やば……

あとで絶対怒られる。


でも、ありがとう。


お兄ちゃん。


連れて帰ってきてくれたんだね……?