また今日も、わたしは兄に反応をみて面白がられているのかな……。
「ねぇ。俺があの田村ってやつになにを耳打ちしたか気になってる?」
航太くんと二人で抜けたあと、わたしを迎えに来たときの話だ。
どうして興味ないのに桜井さんにかまうかって話をしていたときに、航太くんにだけ聞こえるようになにかいっていた。
「……うん」
あのとき、航太くんはすごく驚いていたよね。
なにを言ったの?
みんなと合流してからは、いつもの航太くんに戻ってはいたけれど……。
「それじゃあ、こっちきて」
「え?」
「俺の隣に来なよ。教えてあげるから」
「でも……」
移動すればゴンドラが揺れそう。
「動くの怖い?」
「……うん」
「どれだけ出たいと願っても、あと10分ちょっとは出られないよ」
「そんなに?」
「なに。あっという間だよ」
たとえば朝、急いでるときの10分なんかはあっという間にすぎるのに。
はやく過ぎてほしいと願う10分はどうしてこうも長く感じるのだろう。
「ほら、うらら。はやくこっちにおいで?」
「ねぇ。俺があの田村ってやつになにを耳打ちしたか気になってる?」
航太くんと二人で抜けたあと、わたしを迎えに来たときの話だ。
どうして興味ないのに桜井さんにかまうかって話をしていたときに、航太くんにだけ聞こえるようになにかいっていた。
「……うん」
あのとき、航太くんはすごく驚いていたよね。
なにを言ったの?
みんなと合流してからは、いつもの航太くんに戻ってはいたけれど……。
「それじゃあ、こっちきて」
「え?」
「俺の隣に来なよ。教えてあげるから」
「でも……」
移動すればゴンドラが揺れそう。
「動くの怖い?」
「……うん」
「どれだけ出たいと願っても、あと10分ちょっとは出られないよ」
「そんなに?」
「なに。あっという間だよ」
たとえば朝、急いでるときの10分なんかはあっという間にすぎるのに。
はやく過ぎてほしいと願う10分はどうしてこうも長く感じるのだろう。
「ほら、うらら。はやくこっちにおいで?」


