わたしを欲しい――?


「気になってる子、いるって言ってたのは……」

「それお前」

「…………」

「だから、お前が誰を見てるかも気づいてる」


——心臓が大きくドクンと揺れる。


「うららの視線の先には同じ男がいた。いっつも探してる。見つけたら離さないで目で追ってる」


思い当たる節は、ないわけじゃなかった。

ううん。


……ありすぎた。


「たしかに男の俺から見てもあいつはカッコイイ。怖いくらい非の打ち所がない。あんなのと小さい頃から住んでたら他の男は……俺なんか、たいしたことないと思う」

「違う。そんなんじゃ……」

「認められないのは兄妹だから?」