「この前、雅くんの面談があったんだけどね」


そうか。兄の面談はもう済んでいたんだ。


「雅くんの成績聞いてビックリしちゃった。凄いとは知ってたけど、高校生になっても全国に通用するなんてねぇ」


……始まった。


「頑張りすぎてて心配になっちゃう」


母は兄がいればそれでいいんじゃないかって、ときどき思う。

兄のことを褒めた回数はもう数えきれないし、その言葉から兄への愛情が伝わってくる。


母を一番に喜ばせるのも、母に一番に心配されるのも、兄だ。


「……お母さん」

「ん?」

「日曜日、お兄ちゃんと……遊んできて、いいかな?」