そういう兄の顔は、楽しそうだ。


これで……よかったのかな?


「遊園地がどんな楽しい場所かって期待してるみたいだけどさぁ。俺が、二度と行きたくなくなるようにしてあげるよ」


よかったの……かな!?


「あー、疲れた。まさか話したくもないやつとこんな時間に口を利くなんて思わなかった」

「わたしの友達のこと、そんな風に言わないでっ……」

「うらら、今夜は俺の抱きまくらね」

「へ……?」

「貴重な時間削ってくだらない遊びに付き添うんだから。そんくらいの報復受けて?」

「ホウフク……!?」

「ほら、寝るよ。断るなら全力で遊園地行くの阻止してやる」

「そんなぁ……」 

「仲間はずれにされればいい。付き合い悪いやつになればいい」

「っ、」

「感謝してよ。俺が動いてやるんだよ?」

「……うん。ありがとう」


わくわくとドキドキとちょっぴり恐怖しそうな遊園地計画が、地獄への招待のような気がしてならない夜。


架里奈と永浜くんと。

それから……兄と。

四人で出かけられるのが楽しみで仕方ない。


「おやすみ、うらら」


わたしを当たり前のように抱きしめる兄。


「……おやすみ」


なんだか今夜はよく眠れそうだ。