たしかに兄の言う通り、わたしは絶叫マシンもお化け屋敷も観覧車もきっと楽しんで乗れない。


きっと遊園地という場所は、わたしの苦手なものだらけだ。


だけど友達と、遠出してみたかった。

遊園地って響きはなんだか憧れでもあった。


あとは、永浜くんと架里奈のデートをのぞき見たかったという気持ちもあり。


それで、行きたいという気持ちが不安に勝った。


もしかしたら田村くんより兄と行く方が、気を使わなくて済むかもしれない。

四人とはいえ、ろくに話したことない男の子とどう過ごしていいかわからない。


目の前にいるこの人は、わたしの最も苦手な人であり、だけどなんだかんだ一番わたしをわかってくれているたった一人の兄なんだ。