「わかった」


最後にそういって、兄は電話を切った。

そのあとわたしを凄く睨んできた。


「なんで俺が遊園地なんか」


え?


「行くの!?」

「行くよ」

「なんで?」

「俺が行くなら雫さんも安心でしょ」

「!」

「なんていって出かけるつもりだったの?」

「それは……お母さんを説得する気で、」

「多分無理。うららは箱入りなんだ。電車だって高校の行き帰りしか乗ったことがない。……でも俺がいれば大丈夫」

「えっ、それでオッケーしてくれたの?」

「いいや。面白そうだったから」

「え?」

「絶叫マシンにお化け屋敷に観覧車。どれもうららは苦手でしょ?」

「……!!」

「うららの怖がるとこ見てあげる」