突拍子もないことを言われ、あんぐり口があく架里奈。


「いつか俺の服とか、売りたい。服だけでなく色々と」

「……そう、なんだ」

「ファッションがめちゃめちゃ好きだから。だけどそれって、好きとかやりたいだけでできることじゃなくて。経営についても学んで、人付き合いだってできなきゃ話にならねぇ。そんなことまでできて初めて成せることで。作ったからって売れなきゃ生活できなくて」

「……うん」

「勉強しなきゃならないんだ。たくさん」

「そっか」

「だからどうしてもそっち優先になる」

「器用貧乏だもんね。あんた」

「そうだよ。でも、見込みあるって言われてんだぜ?」

「センスはあるもんね」

「俺のことよくわかってんな。さすが、柏木」

「…………」

「だからさ。正直、今、こういうこというのは中途半端で言いたくなかったんだけど」


永浜くんが、架里奈をじっと見つめる。


「俺、お前が好きだよ」