きっかけが何だったかは、わからない。


「あーあ。どんくさいなぁ」

「がっかりだよ……うららには」

「できそこないの妹がいるって思われたくないんだけど」


気づけば兄から嫌われていた。


きっと、自分と正反対なわたしを見ていてイライラするのだと思う。

だから、わたしに冷たくなってしまった。


『完璧』であるがゆえに

『不完全』なわたしが赦(ゆる)せないんだ。