「実はテスト前に予定が立て込んでて、勉強どころじゃなかった」

「予定って?」

「それはお前には関係ないことだ」

「……あっそ。どうせくだらないことでしょ」

「なんだと?」

「言えないような恥ずかしいことしてたんじゃないのー?」

「あのなぁ……」

「なによ」

「人をバカにするのも大概にしろよ」


ムッとする永浜くんに、引かない架里奈。


「どうせ女と遊んでたんでしょー?」

「はぁ?」

「やらしいの。勉強そっちのけでなにやってんだか」

「お前ってやつは」


二人が目の前で火花を散らし始めたけれど、なにも心配はいらない。

だってこれは喧嘩というよりは、二人が仲がいい証明みたいなもので。

よくある光景で。

ちょっと言い合ったあとは、また、お互いいつも通りにつるむのが目に見えているから。