どうすればうららの思考を停められるか。


それだけを考えたとき。


——いいことを、思いついた。


とてもいいことを。


「——バカなの?」


決めた。


「いつまでも、うじうじしないでよ」


ただの、優しい兄から、


「見ててイライラする。夢くらいでそんなにビクついて」


冷たくてイジワルな男になる。


「ほんと……こういうの、時間の無駄」


目を見開くうらら。

可哀想で可愛いうららに。


俺が教えてあげる。

色んなことを。


「お兄ちゃん……?」


俺が、なればいいんだ。

うららの一番の〝脅威〟に。


他のこと考える余裕ないくらい

うららの中を俺でいっぱいにすればいいんだ。


うららの意識を、この俺に向けさせよう。

うららは、俺だけ見れいばいい。


俺のこと怖がって

俺のこと嫌いになって


そして俺から離れられないくらい、

俺のこと大好きになってもらうんだ。