——好都合だった。
父とうららの関係、そして雫さんとうららの間に亀裂が入るよりは、これまで通りの四人でいられる方が理想的だ。
とにかくうららが俺の側にいればそれでいい。
間違っても俺たちが離れ離れになる未来だけは避けたい。
だから、昨夜の出来事がうららの中で白紙になったのは俺の望む展開そのもので。
いや、むしろそれ以上で。
運命さえ味方につけた気がした。
「無理に思い出さなくていいよ」
「……え……」
「嫌なことは、はやく忘れようね?」
ねえ、うらら
俺ね
これからはキミのことを大切にする。
もう見せかけの優しさなんかじゃなく
心からキミを可愛がってあげる。
気づいたんだ。
俺はキミをどこかで必要としていたことに。
一晩中うららを抱きしめながら、ずっと、同じことばかり考えていた。
……キミを、俺のモノにするって。


