俺はうららに少しだけ同情し始めていた。


努力という努力はしていないのに容易くできてしまう俺より、苦手ながら一生懸命取り組んでいるうららの方が姿勢はいい。


だけどそこに結果が伴わなければ評価されない。


過程でなく結果が全てな雫さん。


うららが褒めてもらえないのは俺のせいでもある。


俺という完璧すぎる比較対象がいるせいだ。


だからといって俺がうららになにかしてやることもなかった。


してやりたいと思わなかった。


赤の他人だから。