キミは俺のモノでしょ

兄を起こしてしまう前に部屋から出ていこうとした


――そのとき。


「……うらら」


!!?


「お兄ちゃん?」


起こしちゃった?

お、怒られる……


「…………」


……あれ?


そっと兄を覗き込むと、瞼を閉じている。


じゃあ今のは寝言だったのか。

夢にわたしが出てきているの?

どんな恐ろしい夢、みてるの……?


「なに、勝手に入ってきてるの?」

「へ、」


突然パチリと目をあけた、兄。

鋭い目つきでわたしを見上げてくる。


「ごめ……」


起きてたっ……!!


「いつ俺が部屋に入ること許可した?」

「ノックしたんだけど、返事なかったから……」

「なら入っていいとでも?」

「っ、ごめんなさ……」

「悪い子だね、うららは」

「…………」

「プリントは?」

「してきたよ!」

「自己採点してみた?」

「え?……してない」

「全部解けてそう?」

「……ううん。全部は、解けなかった……」