軋むベッドが鳴り止んで、貴方が部屋を出て行く。



「さよなら」

「…うん」



本当は叫びたい。

私の傍にいて、帰らないで。
貴方の傍で朝を迎えたい、そう言いたい。



「せめて…またって言ってよ…」



見えなくなった貴方の背中にそうポツリと零す。


わかってる、あの人には帰るべき場所と
愛している人がいることを。
これはそれを理解した上での関係だということも。

あの人は家族を捨てることができない。
そして、1人にしないでという私を見捨てられない。



あの人は優しすぎる。
そして、その優しさはとても暖かく、残酷だ。