彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

主任が運転して向かっていたのは、うちで。

どうして?

このまま私は家に送り届けられて、主任は宿泊先に行ってしまうの?
確かにもうすぐ日付は変わってしまうけど、でも、まださっき会ったばかりなのに。


「モモ、」

「え?あの、私。……主任の今日泊られる場所までお送りします、けど」


まだ帰りたくない。
その意思表示のつもりでそう答えた。
ところが主任は、


「言いなおし。」


こんなときでも主任は容赦ない。
でもこれを言いなおさないと先に進めないから、


「……ジュンさん。よかったら送りますけど」

「モモ、送ってくれるんだ?」

「え?あ、はい。もちろんです」


だってちょっとでも一緒にいたいから。
どこに宿泊かわかんないけど、そんな遠くのはずはないと思うから。


「じゃ、五分」


???


「五分で準備してきて」


なんの?
送っていくのに、何か準備必要?

そして主任は一度考え直したのか、


「……明日もう一度寄ってもいいか。とりあえず今日の分」

「今日の、分?って。あの?」

「そのままでもいいけど、何かと困るんですよね?女の人は」


女の人は何かと困る。
主任はそのままでもいい?

またこれ連想ゲームかなんかですか?


「とりあえず、一泊分の準備してきて」

「へ?あの、…はい?」

「早く行かないとこのまま連行しますけど?」


連行とか怖い事を言う主任に。
もう一度瞬きをして見つめる。

一泊分?
誰が?
誰と?
どこに?!!


「モモ、聞いてます?」

「え?あ、はい、えと」

「モモがいいなら、このまま行きますよ?」

「え?あの。いや、全然っダメですっ」


慌ててダメって言ってドアを開ける。
そんな私に主任は畳み込むように言う。


「五分経って来なかったら、部屋に攫いに行きますから」


攫う?
振り返った私が見えたのは、それはもう満面の笑みで楽しそうにいう主任。
やっぱり主任の背景に黒い何かが見えた気がします。

いろんな意味で身の危険を感じた私は五分で用意するべく自分の部屋へと急いだ。