彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

内示が出て、部長と話をした。
今後の引き継ぎの人選やその他色々な打ち合わせ。
それを誰かが聞いていたらしく、所内で噂になっていた。

彼女の耳に入るのも時間の問題。
噂ではなく辞令を見て知ってほしかったが仕方がない。

そしてその日の夕方、ついに彼女の口から問われた。
会議室に誘い冷静に話をする俺に、かなり動揺している彼女。

内示の段階だから詳しくは言えないと言うとそのまま一礼をして会議室から出ていった。

そうだ、これでいいんだ。
ただの上司と部下のまま。

そして正式に辞令が出た。異動先は本社のある東京。
本社からは出張扱いで前の週から来てほしいと言われていた。
それも合わせて言うと急きょ今週末に送別会が行われることになった。

普段は出ない会社の飲み会。
だけど、まさか自分の送別会に欠席するわけにはいかない。
それに最後だ、彼女の姿を見れるのも。

俺の座る席から一番遠くに座る彼女。
そんなに飲めないのに、梅酒なんて飲んでる。
心配で声を掛けたくても、次々俺のいる席に挨拶にくる同僚たち。
そして彼女と仲のいい波崎がきた。きっと彼女に何かあった時は助けてくれるだろう。

そして今度はアルバイトの子たちの質問攻め。
あぁだからこういう席は嫌いだ。
うんざりしながらなんとか答えているとやっと解放された。

そしてほっとしたのもつかの間、一息つこうとしていた所で今度は彼女がきた。

上司として、最後にできることはなんだ?
彼女にしてあげられることは?

彼女にしてあげることというより、自分がしたいことが先に口から出てしまった。
最後に彼女を家まで送り届けたかった。

少しでも長い時間を彼女と過ごしたいと思った。
最初からここで酒を飲むつもりはなかった。
ましてや送っていくと言った以上飲むわけにもいかなかった。

大丈夫だろうか?
彼女はあれからまた何か飲んでいたようだが。
あんなにも酒を飲むのは、……俺のせい、なのか。