彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

キッチンでコーヒーを入れる様子を見たかったのに、彼女に追い返されてしまった。
仕方なくソファに座る。
その瞬間ぐったりとする体にたまらず体をソファにもたれて目を瞑る。

……あぁ思ってたより、ひどいな、コレ

その時、コトっと音がして彼女がコーヒーカップをテーブルに置くのが見えた。
トレイがなかったからだろう。
自分の分を取りにキッチンに戻ろうとする彼女の左手をとっさに掴んでいた。

その反動で彼女は俺の膝の上にぽすっと横向きに座ってしまっていた。

その驚いた様子が可愛くて、そのまま彼女の体をホールドする。
小さな彼女は思ったよりも軽くて、柔らかくて、甘い香りがして……

あぁダメだ。
冷静な判断なんてできない。

――――全部熱のせいだ。


「……少しだけ、こうさせてください」


やっと言えたのはその言葉だった。
柔らかい彼女を抱きしめたそのままでずっと……


彼女が申し訳なさそうにコーヒーが冷めるといった瞬間、閉じ込めていた手を放し、彼女が立ち上がるのを手伝う。

手が触れた途端彼女が猛烈に怒りまくり、早く寝ろと寝室に追いやられた。
着替えてベッドに入ってすぐに瞼を閉じた。

いろんな意味で重症だな……

ゼリータイプの飲料水と薬を飲み、額をタオルで冷やされるとそのまま眠気が襲ってきた。

あぁちゃんと迷子にならずに彼女は帰れるだろうか――

意識がなくなる寸前に考えていたのはそんな事だった。

目が覚めるとまだ暗かった。びっしょりと汗をかいた体と寝たことですっきりした頭。
ともかくシャワーを浴びようと部屋を出るとリビングに明かりがともっていた。電気の場所が分からなくて彼女はそのまま帰ったのだろうか?

リビングに入るとソファーを枕にネコみたいに小さく丸まって寝ている彼女。
いくらこの季節とはいえそのままでいたら風邪をひく。
寝室からタオルケットを持ちだすとそっと彼女にかけてシャワーを浴びに浴室に向かった。

戻ってくるとそのままの体勢で寝ている彼女。
いくらなんでもそのままでは…耳元で声をかけて起こすと焦ったように帰るという彼女をたしなめ、そのまま家に泊めた。
こんな真夜中にいくら車とはいえ一人で帰すなんて心配でこっちが眠れない。
だったら朝までここで寝ていてもらったほうがいい。

なんて、嘘だ。

このまま――――――帰したくなんかない。

ほんと俺、重症。