彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

仕事を終えると自分の家で潤兄を待っていた。

【ついた】とメールが入って慌てて下に降りていく。
早くしないと潤兄にモモはいつもドンくさいって怒られちゃう。


「潤にぃ、お疲れさま」

「おう、お疲れ」


助手席に乗ってドアを閉めると車は動き出した。
仕事帰りのスーツ姿の潤兄は今日もかっこいい。


「潤にぃ。今日は何ご馳走してくれるの?」

「桃がお気に入りのとこ。限定メニューしてたから」


お気に入りの所?ってことは?


「もしかして朔也さんのとこ?」

「あぁ」


あいかわらずそっけない返事の潤兄。
でもちゃんと覚えててくれてるんだよね。


「うわー。ほんとに?潤兄、大好きっ」

「……桃。そういうの、相手選んで言えよ?」


へ?相手選んで言え?
なんか変なこと言った?
潤兄に感謝の言葉を言っただけなのに。


「ねね。バレンタインメニューってどんなかな?」

「さぁな。行けばわかるだろ?」


そうだけどね。
でも、色々考えてる時間が楽しいんじゃない。

デザートがチョコなのは当然として、チョコレートソースとか?
うわぁ楽しみー


「ついたぞ」それだけ言うと自分はさっさと車から降りて入り口に向かっていきそうな潤兄。
エスコートとかっ、してくれてもいいんじゃないの?

慌てて車を降りると小走りで潤兄についていく。


「桃華ちゃん、久しぶりだね?」


お得様にご挨拶をしていたらしい朔也さんが厨房に戻るところを偶然にもあった。


「あの時は本当にごめんね」


申し訳なさそうに年末の事を謝ってくる朔也さん。
メールと電話でも何度も謝ってくれたのに。


「いえ、大丈夫ですよ?朔也さんお忙しそうですし」

「桃華ちゃんが楽しかったのならいいんだけど、言い出した俺が行けなくなるなんて申し訳なくてね」


まだ言ってる。
本当に大丈夫なのに。


「ほんと、気にしないで下さい。すごく綺麗でしたし、楽しかったです」

「そう?ならよかった。今度埋め合わせするからね?」

「楽しみにしてます」

「フフ、じゃあ。またね」


最後にいつもの必殺ウインクをひとつお見舞いしてくれた朔也さん。
だからそれ、すごい攻撃力ですって。
うっかり私も目がハートになっちゃうじゃないですか。

そこでふと潤兄がいることを思い出した。


「あ、ごめん潤にぃ」

「行くぞ」と言ってすぐに前を向いて席に向かってしまった潤兄。
なんか急に機嫌が悪くなったような。