彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)

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「桃ちゃん、おはよ」

「あ、望亜奈さんおはようございます」

「今日ランチ一緒できないんだけど、帰りにちょっとお茶できる?」

「仕事遅くならないと思うから大丈夫です」

「じゃ、帰りに~」


着替えを終えて席に向かえば珍しく主任がデスクにいた。
今日は一日社内なのかな?


主任に挨拶をして席に着く。

午前中、こっそり主任を観察してみたけどずっと席でパソコンとにらめっこ。
データー分析とかそういう感じかな
私も何かお手伝いできることあるかな?


午後になり自分の仕事の目処がついたところで主任に声をかけた。
最近では見てなかった眉間のシワ、濃くなってるし。


「それでは、こちらをお願いします」


そう言って渡してくれたのは、今眉間にシワを寄せてつくってるモノとは関係のない書類。
私はたいした戦力にならないだろうけど、補佐なんだからお手伝いさせてくれてもいいのに。

主任はこれ以上は何も渡してくれそうになくて、そのまま私は席に戻った。




定時過ぎに仕事を終えた私は片づけを済ませると給湯室に向かった。

せめてコーヒーで少しでも気分転換してくれたら。

今私が主任に出来るのはそれぐらいしか思い浮かばなかった。


主任のデスクにそっとコーヒーを置き、仕事の邪魔にならないように帰ろうとしたとき、


「天ヶ瀬さん、ありがとうございます。気をつけて」


後ろから聞こえた主任の声。
その声に振り返って確認した時はすでにもうパソコンに向かっていた主任。


「お先、失礼します」


なんだか、ちょっと寂しい。
頼ってもらえない主任に。

なにも力になれない自分は、部下としても主任の役に立つこともできないなんて。

そんな気持ちで事務所をあとにして、望亜奈さんとの約束の場所に向かった。