私は写真をしまい、椅子に腰掛けた。

部屋はいたってシンプルで、必要最低限のモノしか置いていない。

ガラス製のテーブル、ベット、椅子、本棚、掛け時計、卓上カレンダー。

どれも白を基調としたもの。

 「そろそろ病院行って薬もらわないと…」

カレンダーを見ながら呟く。

今回は検査もだからなおさら気が重くなる。
あの無機質な部屋で機械に囲まれる空間は、
自分が本当に生きているのか分からなくなる。

このまま死んでしまうんではないのかと思うほどに…

 「嫌だな」

でも、必ず行かなくてはならない。
自分の身体の為だけじゃなく、それが一人暮らしのできる条件だからだ。

私が一人暮らしをしている理由は2つ。

1つは家の邪魔にならないため。
2つ目は自由になりたかったから。

ただそれだけの理由。

独りは怖い。
だけど楽なんだ。

独りでいる方がいいんだ…