ある日のこと。
いつも通り夕日が沈みかけてきたため、
帰ろうとブランコから降りれば、向こう側の入り口から小さな影が見えた。

小さくうずくなってる男の子に私は声をかける。
 
 『ねぇ、どうしたの?』   

 『うぅ・・・・ぅ』

男の子は首を横にふり泣くだけ。

そっと男の子を抱きしめ背中をポンポンと優しく叩いた。

私が泣いている時、よくお父さんがやってくれたのを真似してみたのだ。

暫くそうしていれば、泣き止んだようで
 
「あり、がと」

ニコッと笑った男の子につられるように私も笑った。

それからというもの、よく2人で会うようになった。

そこで少しずつ知った。
彼は人とのコミニュケーションがあまり得意ではないということを。

あまり喋らない彼、でも私といるときは笑っていてくれていた 。

それからいくつもの月日が経ち、私たちはある約束をした。

 『ずっと一緒にいる』

今考えればずっと一緒何てありえないことだ。
だけど、再入院をまじかに控えていた私の心の支えになっていたのだ。

入院しても、あきちゃんはお見舞いに来てくれると言った。

でも、その約束は果たされることはなかった。
入院をして1週間、2週間、1ヶ月と待ったがあきちゃんは来てくれなかった。

約束したのに…

寂しくて悲しくて、私は涙をこぼした。

 『また独りぼっちになっちゃった』

静かな病室には私のすすり泣く声だけが虚しく響いた。

そんな記憶がある。
少し私も大きくなって、自分の病気のことを知って何だかホッとした。

『ずっと一緒にいる』だなんて私が守れるわけがない。
だから早くに約束が無効になってよかったと考えてしまうズルい自分。

あきちゃんあの約束を覚えていて謝ってくれたのに最低だな私…