暗いところは嫌いだ。

私の心も体も飲み込んでしまうようで怖い。

真っ暗で何も見えない箱の中に私は閉じ込められる。

冷たくて明かりの何もないこの空間。

いくら叫んでも、返事はない。

次第に体は冷え、思うように動かなくなる。

私は闇に飲み込まれていく___

 『誰か、助けて…』

誰でもいいから助けて欲しい。
この場所から早く出たいのだ。

 「…さ、い…さ」

誰かの声が聞こえる。

 「一条さん」

私を呼んでいるの…?

重たい瞼をゆっくりとあげた。