時間は過ぎて昼休み。

お手洗いから戻ってくると私のお弁当が悲惨なことになっていた。

机の上にぶちまけられたそのお弁当はもう食べることなどできない。

最悪だ…
今度から鞄を持って移動しよ。

私はその場を素早く片付ける。
まるで何もなかったかのように。

食欲も失せ、飲み物だけ買おうと自販機に向かっている最中、

 「「刹那ちゃんみーっけ!」」

後ろから無邪気な声が聞こえる。
振り返れば坂岸兄弟が居た。

周りの女子からは黄色い声が上がるが、2人が私に抱き着いた瞬間ブーイングに変わる。

また面倒なことになると思い2人を引きはがそうとする。

 「お2人とも離れて頂けませんか?」

 「「なんで~?」」

やっぱり口で言っても駄目か…
聞き分けがよかったら私に抱き着いてくるなんてことしないものね。

 「周りからの視線が痛いので」

 「「痛いのー?」」

 「・・・・・・・・」

 「「刹那ちゃん?大丈夫?」」

何を言っても無駄だと思い、話を進めることにした。

 「大丈夫です。ありがとうございます。ところで私に何か御用ですか?」

彼らは確か『見つけた』と言っていた。
それなら生徒会の呼び出しの可能性が高い。

 「「生徒会室行こ~」」

 「呼びに来なくてもこれから行こうとしていたのですが…」

 「一緒に行きたかったの!ねー海斗」

 「ねー空斗」

「でも、貴方たちは生徒会室に朝から行っていたんじゃ…?」

 「「気にしなーい!気にしなーい!」」

もう嫌だこの子達…