そこで沙樹は目をさました。

悲鳴を上げ、ベッドの上に上体を起こしていた。

着ているパジャマが汗でびっしょりだ。

ハァ、ハァ、と肩で息をする。

きょろきょろとまわりを見渡した。

六畳の大きさの洋間。ベッドのそばには机。そのとなりに本棚。足元の壁にはクローゼットの扉。

いつもの自分の部屋が、天井の小型電球が放つオレンジ色の弱い光の下に浮かび上がっている。

机の上の置時計がほのかに光っていて、午前四時を過ぎたばかりであることを示している。

沙樹は汗に濡れた手のひらで、同じく汗に濡れた首を確かめた。

首はちゃんとつながっている。

ホッとすると同時に、ため息をついた。

(また同じ夢だ)

今日は水曜日。ここ三日、続けて同じ夢を見ている。

男たちに押さえつけられ、首を切られたところで目が覚める。

どうしてこんな夢を見るのか、まるでわからない。

時間的にはもうひと眠りしたいところだが、とてもそんな気にはなれない。もう一度眠ったら、また同じ夢を見そうな気がする。

とにかく下着とパジャマを着替えようと、ベッドからおりたときだった。