悠said

――「もう悠のそばにいられない。」――

さあやの言ったあの言葉が頭から離れない。

あのあと僕は無意識のうちにさあやの手錠を外し、さあやを解放していたらしい。

嘘だ。

そうだ。嘘だよ、嘘に決まってる!!
だって約束したじゃないか!ずっと一緒にいるって。

そもそもさあやはわかってない。僕がさあや以外必要としていないことを。

考えたことが無かった。さあやが僕以外の誰かのところに行くことなんて。心のどこかできっと、さあやはずっと僕と一緒にいるって思ってた。
それが覆されることなんてなかった。

今日までは。