…×年前

「さあや僕をひとりにしないで」

そう言って泣いている悠。

「たった3日なんだから大丈夫だよ。すぐ帰ってくるから。」

家族旅行でしばらく出掛けるだけなのに、いつも悠は大袈裟なんだ。

「でも...」

それでも不安そうに悠は言った。

「僕のしらないとこでさあやに好きな人とかできちゃったら...僕生きていけない。」

「大丈夫だよ。私はそういうのに興味ないもの。」

私は周りの女の子みたいに恋がしたい、なんて思ったことがない。
それに、これからもずっと恋なんてしないと思っていた。

「でも...」

それでも悠はやっぱり不安そうだった。