「え...そんな急に困るわ、学校は?親は?どうするのよ。」

「そんなのどうにでもなるさ。大丈夫、安心して最低限の自由はある。外に出る、以外はね。」

まったく、困ったものだ。でもきっとどうにかしてしまうのだから足掻くだけ無駄なのだろう。

「はぁ...」

複雑な気持ちの私を置いて悠はいそいそと何かをしている。

「...?」

「逃げようとか思わないでね。っていうか逃げられないから。」

どうやら悠は本気らしい。真っ白いベッドに手錠から延びた鎖を付けている。

重みを増した手錠に高鳴る胸を抑える。ここにずっと居れたらどんなにいいだろうか。でもそれではだめだ。

私は幼い頃のある〝約束〟を思い出していた。