「詩月、伴奏やってくれるよね??」



6限目のホームルームの時間。



毎年12月にある合唱コンについて話し合っていた。



「詩月ちゃん去年も伴奏してたけどすごい上手だったし!」



みんなが私をはやし立てる。



私はハルにやってもらいたいんだけどな…。



ま、無理か。



また怒られるし。



それにハルは伴奏者向きじゃ…ないよね。



隣の席のハルにチラッと目配せしてみる。



するとハルは頬杖をついたままこっちを見て微笑んだ。



まるで、「俺はやらないよ。」って、私の心を読んだかのように。



ハァ…今年も私がやるのかぁ。



「ん、いいよ。私がやる。」



今年はコンクールの練習もあって大変なんだけどな…。