「葵(あおい)！咲さんが困ってるでしょ！！何か言うことないの？」

いきなり相手側の説教が始まった。

私は、見てるのに耐えられなかった。

「あ・・・あの！よかったら私と2人でそこらへん散歩しませんか？」

い・・・言ってしまったー！！

だって、葵君すごく困ってるっていうかここじゃ話せないって顔してるから・・・。

駄目だったかな？

「咲さんがそうおっしゃるならお言葉に甘えて。」

そう言い私と葵君は庭の方に出た。

「葵って名前いい名前だね！」

私は、話題を作った。

「そんなことないですよ。」

「私はいいと思うんだけどな！青空みたいにどこまでも成長しそうな名前で！」

「・・・。」

ハッ！

しまった！初対面の人にそんなお話して・・・！

「あの・・・！今のあまり気にしないでね！」

その時、葵君は私の手を引っ張り、耳元で囁いた。

「俺、あんたのこと本気で好きかも。」

私は、その言葉を聞いて顔が赤く熱くなった。

「ふっ！俺のものにして見せるから。」

そう言い葵君は私の髪にソッとキスをして背を向けその場を去ってしまった。

「一体何だったの・・・！ていうか、お見合い断れなかったんだけ・・・！」

今はそんなことより、頭の中が葵君のことでいっぱいだった。

何だろう？この気持ち・・・。