「うん、ダメだった。それだけは自信なかったから、返ってきた時に“ああ、やっぱり”って思ったよ」


“66点”

あと一歩、及ばなかった。

どう足掻いたって、これがすべてなんだ。


「私の負け。 ……だから、私達の間で秘密にしていたこと全部話してもいいよ。それから何でも言うことを聞くっていう約束も」


篠宮くんはしばらく黙ったまま、何かをじっと考えている。


「何か言ってよ」


沈黙の状態が3分ほど続き、さすがに耐えきれなくなった私はそう言って篠宮くんを見る。


「――言わないよ」


……え?


「高城さんのこと、全部誰にも言わない。花火大会だって約束通り、連れてってあげる」

「どうして?!全教科70点以上を取ることが条件だったはずなのに」


意味がわからない。

それじゃあ、何の為に私は頑張ってたの?!