ハルジオンが咲く頃に。【第2章まで更新中】



「あっ!ちょっと!そんなに走ったら」



そんな声を無視して俺の脚に白猫が体を擦りに来た。



こいつ、また餌もらおうって来たのか…。



そんな毎度毎度来てあるわけねぇだろ。



まぁ、持ってきてっけど。



てか。



こいつ足怪我してんじゃねーか。



ハンカチなんか巻いて。



そんなことをぼーっと思っていると視線を感じた。



顔を上げると…




「ッッ」



息が詰まった。



真っ黒な髪に、大きな瞳。



すっと通った鼻に白い肌によく映えるピンクの唇。



普通の人が見れば、日本を代表するような美人。だと言うだろう。



ただ、俺はこいつを知っていた。



こんな場所が1番似合わないやつ。



こんな場所に1番来て欲しくないやつだった。