「なに?」 不機嫌そうな声だが、ちゃんと止まって振り返ってくれた。 「昨日引っ越してきて…帰り道…わからなくて…」 「…チッ」 ビクッ…明らかに不機嫌だ…し、よく見たらふッ不良の人だ…… 「…家、どこなの?」 「…〇〇」 マンションの名前を言うと私の横を通り過ぎて、歩き出した。 「帰んねぇーの?」 「帰る!」 そう言って私は彼のあとを着いて行った。