ハルジオンが咲く頃に。【第2章まで更新中】




迷った。




いつの間にか全く人気のない裏路地に来ていた。




携帯で地図を見ようとも、運悪く充電切れだ…。





…どうしよう……。





暗くなってきたし…。





ニャァオ。



…猫?




びっくりして下を見ると、白い猫が私の足に頭や体を擦り付けていた。





「どーしたの?」






あまりの可愛さにしゃがんで猫の喉を触る。





ゴロゴロ…と喉を鳴らしている。





…可愛い……ん?




白い猫の足が少し赤く汚れている。




よく見てみると




足の裏を切って血を出していた。




「大変!」





急いでカバンから新品のハンカチを出し傷口を覆うようにまく。





これでまだマシだよね…。






多分この子の毛並みからするに、飼い猫か野良でも誰かがちゃんと餌をくれているのだろう。





「ちゃんと治すんだぞ!!」




と猫を抱いて言っていたら





ニャァァ!





とひと鳴きして腕の中を飛び出して私の後ろに走っていく。