ハルジオンが咲く頃に。【第2章まで更新中】




勝った子が面を外す…。




予想外だった。





あれだけの勝負をしていた人とは思えないほど綺麗な人だった…。





少し色素の薄い茶色の髪色をしたショート。




髪の同じ色の茶色の瞳。




そして白い肌。





パチッ




…目が合ってしまった。




その後もこちらに気づき、近づいてきた。




「あなた、さっきからずっと見てましたよね…」





やばい、怒られる…





「すみませんっ!すぐかえ「あなた剣道好きなの?」」





「え?」




「あぁ、間違えてたらごめんなさい。でも、さっきの試合を見てた目があまりにも真剣だったものだから。」





「あ…私も剣道やってたので…」





そう私が言うと相手の人が目を輝かせた。





「そうなの!?じゃあ、是非私たちの剣道部に入らない??」





手を合わせて顔をほころばせて言った。




確かに入りたい……。


でも……。




「ごめんなさい。もう剣道はするつもりないんです。今日はありがとうございました。」




「そう…なら仕方ないわね…。でも、また見に来てもいいからね?」





「はい…」






私は、ぺこりと頭を下げ、その場を去った。