勝った子が面を外す…。
予想外だった。
あれだけの勝負をしていた人とは思えないほど綺麗な人だった…。
少し色素の薄い茶色の髪色をしたショート。
髪の同じ色の茶色の瞳。
そして白い肌。
パチッ
…目が合ってしまった。
その後もこちらに気づき、近づいてきた。
「あなた、さっきからずっと見てましたよね…」
やばい、怒られる…
「すみませんっ!すぐかえ「あなた剣道好きなの?」」
「え?」
「あぁ、間違えてたらごめんなさい。でも、さっきの試合を見てた目があまりにも真剣だったものだから。」
「あ…私も剣道やってたので…」
そう私が言うと相手の人が目を輝かせた。
「そうなの!?じゃあ、是非私たちの剣道部に入らない??」
手を合わせて顔をほころばせて言った。
確かに入りたい……。
でも……。
「ごめんなさい。もう剣道はするつもりないんです。今日はありがとうございました。」
「そう…なら仕方ないわね…。でも、また見に来てもいいからね?」
「はい…」
私は、ぺこりと頭を下げ、その場を去った。
