そして、今。 私は白百合女子学園の前にいる。 「那月、大丈夫か?」 後ろの車から兄の心配そうな声が聞こえる。 「だ、大丈夫。」 ちょっとビビってるけど…。 「じゃあ、帰りは先に帰っててな。俺バイトあるから。…帰り道わかる?」 「うん!大丈夫!!ありがとう!」 じゃあ、と手を軽くあげて兄の車が走っていった。 「…ふー。」 私は大きく深呼吸して、学園に足を踏み入れた。