「夕飯買ってくるから、荷物片付けてな。夕飯何がいい?」
「…ハンバーガー」
「那月、ハンバーガーって…」
そう呆れながらも、兄はハンバーガーを買いに行った。
私も流石に夜にファストフードは、食べるの抵抗あるよ?
でも、なんか贅沢しすぎてるみたいで何度も食べてるハンバーガーが無性に食べたくなったのだ。
「よし…」
荷物片付けよう。
と言っても、持ってきているのはスーツケース1つに、小さい頃からしていた剣道の服や竹刀だけだ。
すぐに終わりそう…。
そう思いながら、持ってきた数少ない服をハンガーにかけてクローゼットにいれ…
「!?!?」
クローゼットの中には既に服がかけられていた。
言うまでもなく私が買ったものではない。
多分。
『桐生さん』だ…。
部屋も買ってもらって、部屋のベットや服まで……。
すごい嬉しいけど、私なんかがこんなに良くしてもらっていいのかな…。
そう思いながら私は、クローゼットの一番端に自分の持ってきた服を掛けた。
