ぐ~ぎゅるるるぅぅ~


「……おにゃかへった」


 私がそう言った途端、周囲に爆笑が沸き起こった。

 し、失礼な! (たた)るぞ!

 キッと鋭い視線を辺りに巡らせると、皆は誤魔化すように視線を散らした。


 「くっくっくっ……あぁー笑うたわ。堪忍なぁ。神様でもお腹空くんやねぇ」
 「おい! そろそろ昼飯にするぞ!」


 夏生さんの鶴の一声に、周囲に今度は雄叫びが響いた。

 腹へったーだの、飯ーだのいいながら食堂に駆けていくのを見てると、なんだか理不尽な気持ちになる。


 お腹減ってるの私だけじゃないではないか!


 「ほな、行こか」
 「……うん」


 すっと差し伸べられた手を私は握った。